ぷかログ

熱気球パイロットとして世界を旅する空飛ぶフリーランスのイマ

【優勝】鈴鹿バルーンフェスティバル2019

寒いですね~。Yudaiです。
鈴鹿大会が終わって僕らは、埼玉のSOLA BASEにやってきております。

おしゃれで、居心地のいい熱気球人の憩いの場から2019グランプリ最終戦の「鈴鹿バルーンフェスティバル」を振り返ります。

鈴鹿表紙

11月22日(1日日)

早朝のゼネラルブリーフィングで3日間の天気予報の概況が案内されます。雨で、あんまり飛べなさそうな今大会。


この時、グランドスラムのかかった大事な一戦を迎えるにあたって、僕らの戦意・意気込みは低かった…
前日にちょっとブルーな事があって、その気持ちを引きずってしまっていたのです。
よろしくないムードを振り切るため、かなと色々話し合いましたが、まだまだちょっと微妙な気持ちな初日の朝。(注:夫婦喧嘩ではない)

鈴鹿ブリーフィング

迎えるのは5タスク

#1PDG #2JDG #3JDG #4FON #5FON(#1と#2は入替え可能)

 

河川敷のランチサイトに移動して、どんよりゾラに離陸していきます。タイミングは中盤くらいにしました。

鈴鹿テイクオフ

前方を飛ぶ気球が西側で動きが遅くなっていたので、地上風を使わず上空通過しながらマーカードロップ。


PDGに向かいながら、後ろの気球たちの動きを見ていると、西側でゆっくりしていた気球たちがどんどんターゲットの方に寄っていきます。
それを参考にPDGのゴール西側から降下していくと…東に行く風がゆるい!なかなか近付けず…ゴールまで130mで迎える制限時間。

 

思いっきり投げたマーカーは倉庫の屋根の上に。

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佐久大会で経験済みのクルーたちの動きはスムーズで、すぐに建物にオーナーさんが居て、ハシゴがあることも確認。ひとまず、屋根の上にマーカーを残して、次のターゲットに向かいます。


これも角度が厳しくて、みんな西側に外しています。できるだけ近付きたい思いとは裏腹に風は東から吹いてきます。これも近付くことが難しく、次のFONに繋げやすい所で見切りをつけます。


FONは、最初のプランとは大幅に角度も距離も変更して挽回を狙います。1kmちょっとの短い距離だったのですが刻々と変わる風に対応するのが難しく上空から投下。


最後のFONはオンラインでジワジワ寄っていったのですが、時間切れで寄せきれず…
う~ん、2時間半で思うようなアプローチも出来ず、スッキリしないフライトでした。


#1 PDG  94.71m   795pt   4pt
#2 JDG  10.23m   969pt   4pt
#3 JDG  555m      835pt   3pt
#4 FON  31.56m  935pt   6pt
#5 FON  37.48m  891pt   3pt


総合は2位スタートを切れましたが、グランプリポイントを稼げず、2位のSoltyDogsに20点差まで迫られました。
午後は風向きが悪くキャンセル。フラストレーションの多い長時間フライトの疲れがどっと出てしまい、ウェルカムパーティには行けずホテルで休むことにしました。


嫌な気持ちに左右されていてはいけない!
このメンバーで気球が出来ている事への感謝、いつものように、サカナクションの音楽を聞きながら、自由な気持ち、挑戦していく強い気持ちを作り翌日に挑みます!

 

11月23日(2日目)

今日も元気に5タスク!

#6JDG #7PDG #8JDG #9JDG #10FON


会場からの一斉離陸。

2020世界選手権でチーム飛びがうまくなれるように、今大会はSoltyDogsの将軍さんと共通無線で連携をしました。

鈴鹿将軍さんと

一旦別々に考えてからすり合わせた結果、PDGのゴールは昨日と同じ、107番に。
会場から次々に飛び立つ熱気球、競技スタートです。

 

しかし、期待される西へ向かう風は十分な角度がなく、皆が南へ外していきます…誰も最初のJDGに近付けません。
300mくらいの高さに気球2個分もない薄く弱い南風の層を発見!周りの5機くらいが歩くくらいのスピードでゆっくりと北上し少しでも近くへと気球を寄せていきます。


この粘りが功を成し、前半3タスクをいい位置で終えました。

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#9JDGはアプローチ戦でしたが、森の際にあるターゲットで吹く地上風はころころと変わり難しい!バッチリと思ったタイミングで降りていくと風向きが変わってしまい離れながらマーカーをリリース。


最後こそは~!


先回りしている地上クルーたちからの情報を元にアプローチラインを取っていきますが、降下しながら戻されてしまい、上空から投下。

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今日もなかなか思い通りに行かないハードな2時間半のフライトでしたが、全体的には良い位置取りが出来ていたので手応えありです。


#6 JDG     891m    980pt     9pt
#7 PDG    797m   1000pt  12pt
#8 JDG    282m     998pt    9pt
#9 JDG    36.54m  868pt    3pt
#10 FON 11.99m  936pt    6pt


午後は会場から一斉離陸するも、風向きが悪く危険ということで途中キャンセルになりました。上空でも地上のクルーたちも選手間でお互いにキャンセルを叫び合っていて、微笑ましいです。

すぐに着陸します。


11月24日(最終日)

トップで迎えた最終日。グランプリポイントは大差が付いたので優勝が確定。

夢の全戦優勝(グランドスラム)をかけた最後のフライト#11FIN, #12MDD, #13HWZ の3タスクが組まれました。


オフィシャルウェザーではすぐ消えると言われていた北風がなかなかなくなりません。途中でなくなると見越して西から離陸するかどうかかなり迷いました。

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飛ばす風船はまだ北風を受け続けているので、北北西から離陸しようと移動してみると既に6機くらいがインフレの準備をしていて、1機は飛び立つところでした。その気球の動きを確認してから、僕らもそこから離陸することに。


いそげー!!


既に半数以上の気球が離陸してましたが、この、結果的には遅く飛ぶことになった事がフライト全体に良い結果を及ぼしました。


FINとMDDはメイン会場の河川敷に設定されています。

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前を飛ぶたくさんの気球の動きから、最終的に低空の風に合わせやすい位置を見極めていきます。


最後の降下タイミング。これが難しかった。


低空を飛ぶ気球はエリアの手前、川の上では川に沿って西に流れているがエリアに入ると南に流され外している。西に振りすぎないように、でもタイミングは早すぎないように、川を通り過ぎたあたりでリップラインを引いて降下を始める。


どうかな。ちょっと早かったみたいだけど、投げれば届く範囲。2つとも得点位置にマーカーを投げれた。


良かった…


さあ、次へ!って気持ちなのだが、どっちへ行けばいいんだ?!


HWZのターゲットは2つ。1つは南で残りは東南東方向にあり、今の風の状況ではどちらも厳しく、ちょうど間を通って行きそうです。


若干南の方に行けそうなのかな~。

高度を変えながら風を探している間にも南東方向に流されていく。上空を飛んでいる気球が東に行ってそうだから、上げてみる。


高度4000フィート(1200m)で東へ向かってる~。

ターゲットに寄せきれる程の角度はないけど、2つのターゲットの間を通ることは避けられそうだ。


地上クルーから低空の風が東向きに変わってきていると連絡が入る。市街地のPZを超えたら急降下で地上風に合わせにいく。やはりアプローチするには角度が足りない…


ターゲットの南西を通過しながら寄せ切るのは諦めていたのですが、そこで神風が!

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南風が吹き始めて、ターゲットの方にじわじわと寄っていきます。クルーの思いが通じたのか、そのままターゲットにマーカースロー!


#11 JDG     1.95m   928pt    5pt
#12 MDD   12.8m   962pt    6pt
#13 HWZ    3.17m   999pt  12pt


グランドスラム達成! グランプリ総合優勝!
グランドスラム…いつか成し遂げたいと夢見ていたモノが現実となりました。

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今日まで活動を支えてくださった皆様に本当に感謝です。
来年はスロベニアでの世界選手権がありますし、日本選手権始め国内タイトルも狙って、もっともっとチーム力を上げていきます。

今後ともやずやバルーンチームを宜しくおねがいします!!

ヤッタ~!ヤッタ~!ヤッタ~!!


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最後までお読み頂き、ありがとうございました!