2019年2月にサウジアラビアのAl-Ulaで開催されたTHABF(Tantora Hot Air Balloon Festival)ブログ第2弾!!
前回の「どんなイベント?編」に続き、今回は「どんなフライトだった?編」。朝のフリーフライトや夜間係留についてお伝えしたいと思います。
いざ、史上初の熱気球フライト!
まず、サウジアラビアの風景はと言うと、「…すごい!!どこも絵になる!!大迫力!!」といった感じで、とにかく”すごい”連発で美しかった~
なだらかに凹凸しながら広がる砂の大地。そのところどころにポツポツと点在し、なぜここにこんな風に残ったのか不思議なほど大きな岩の数々。壁面に掘られた扉のような装飾が、古代人の存在を感じさせ、ただでさえ迫力のある岩にさらなる威厳を与えているような。
私達が見ていたこの景色、実はサウジアラビア唯一の世界遺産「マダイン・サーレハ」だったんです。サウジアラビアでの記念すべき最初のフライト・2フライト目の私のトレーニングフライトは、世界遺産だとは知らずに飛んでいました…なんというこでしょう!!(笑)
マダイン・サーレハの考古遺跡群は、ナバテア人たちが暮らしていた紀元前1世紀から紀元1世紀頃のものが中心で、装飾の施された墓石群が特徴的。新世界の七不思議になったヨルダンのペトラ遺跡が北の都と呼ばれるのに対し、マダイン・サーレハは南の都と言われています。
- 昔、どこからともなく現れたラクダを見て預言者は、水を分け合い大切にするようにと告げたがアル=ヒジュの民は警告を受け入れず殺してしまう。その罰として、この土地は数百年もの間海の底に沈んだ。
という記載がコーランにあり、それに由来して「呪われた場所」とも呼ばれているのだそう。実際に岩には海に沈んだ証拠と言われる黒い地層も見られるし、転がっている石は丸く削られていました。とても興味深いです。
2/1-9の開催期間中、フライト5回・グロー4回を実施
THABFに集まった50チームの宿は、ホテルとキャンプに分かれており、フライト前後にはそれぞれに用意されたバスで宿とMain siteの片道約1時間を行き来します。
4時20分にバスで宿を出発→5時半頃ブリーフィング→7時までに離陸→Main siteで充填して9時から朝食→バスで宿に戻り13時頃から休憩。午後は15時に宿を出発→16時にランチ→17時頃グローのブリーフィング→Main siteで18時から20時までグローを実施→ガス充填して21時から夜ご飯→22時すぎに宿に着き、シャワーを浴びて就寝。
どうでしょう?
23時、遅いと0時を回ってやっと寝れる。でも4時には起床!! そして1日4時間のバス移動という、かなりのハードスケジュールでした。
日中はフリーフライト
さて、フライトはと言うと、岩場に囲まれた狭いエリアのみで行います。しかも、中央には世界遺産のマダイン・サーレハが位置しているので離着陸禁止。世界遺産に登録されているものの、観光としてオープンにはされていない場所で、かなり厳重です。
前半の3フライトは、北のエリアから離陸して南のエリアに着陸。後半2フライトは、パッセンジャーフライトの時間を1時間は確保して欲しいとオーガナイザーより依頼があり、北のエリアから南へ下り、その後北へ上がってMain siteへFIN。
少しコースが違うだけで眼下に広がる景色も変わるので、狭くても楽しめるエリアでした。
チームには、ドライバー1人とクルー2人が日替わりで来てくれて、チェイスは必ずドライバーの運転でと釘を差されました。舗装された道路はあるものの、砂地のチェイスになるのでテクニックが必要なようです。
しかし、フライトエリアの砂地は固めの地面だったのでチェイスに苦労することはなく、どこでも下りられる。下りた場所のすぐ近くにはラクダが飼われていたりして、記念撮影も楽しめました!!
夜は音楽に合わせてグロー
チケットを持った人はエリアに入って係留している気球に乗り放題なので、寄ってきてくれたお客さんを乗せ、下りたら交代を繰り返していました。2時間のうちの後半は音楽に合わせてバルーンイリュージョン。音響も良くて賑やか、係留しながらなのでぷかぷか浮きながらの気球がかわいい。キレイ。
Best pianist of the worldにも輝いたYanniが来場した時には、かなりの有名人が来るということで皆そわそわ。私達の気球に乗りに来るという噂もあったのですが、実際は隣の気球で残念!ぞろぞろと30名くらいの取り巻きと現れて5分程の滞在で帰って行かれました。これが世界的VIPか~というざわつき具合でした。
youtu.be
グローの最中にはお客さんから「君たちの明日のフライトを予約していいか?」と言われ(しかも何人にも)、「チケットが必要なんじゃないかな…?」とイベントの仕組みもよく知らないのでただ勢いに圧倒されていた私達。THABFでのチケット、特に朝のフリーフライトのチケットは売り切れる程人気だったようです。
最後にはご褒美が
今回のフライトやグローはお客様にもオーガナイザーにもとても喜んで頂けたようで、岩場の間にこっそりとあるレストランに全員招待して頂きました。グローが終わってから移動して約1時間後、深夜0時開始。3時に終了し、4時帰宅。幻想的で良い雰囲気のレストランで舌鼓を打ちました。
乾杯には「ガス入りの水か、ガスなしの水か?」と聞かれ、さすがは飲酒が禁止されているサウジアラビア。普段からあまりお酒を飲まない私達ですが、慣れない選択肢に、不思議な気持ちになっちゃいました(笑)
次の記事に続きます!
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