2019年2月にサウジアラビアのAl-Ulaで開催されたTHABF(Tantora Hot Air Balloon Festival)ブログ第3弾!!
今回は、サウジアラビア事情とTHABFの関係をお伝えします。後から後からTHABFが何だったのか分かってきて驚きの連続です。
変化するサウジアラビア
大会中のある日。
私たちが夜間係留を見ていると、スタッフのお兄さんが近づいてきて、Al-Ula遺跡の歴史(ブログ第2弾「どんなフライトだった?編」参照)やサウジアラビアの情勢を教えてくれました。
-3月の投票で宗教政治の撤廃が決まるかもしれない。そうなれば、サウジアラビアはオープンになる。それに向けてカジノやリゾート建設の計画が沢山あって、決定を待っているところなんだ。
イスラム教を守り諸外国から労働者と巡礼者以外の進入を拒んできたこの国が、今、まさに変わろうとしているらしい。
観光客を受け入れていないことで古来のまま残されている自然や遺跡、イスラム教を厳しく守る人々によって守られてきた文化は貴重なものだけど、今進められている政策によって、この国はどのように変わっていくのだろうか?
ニカブと呼ばれるベールで全身を覆い、目の部分だけをわずかに出しているサウジアラビアの女性たちを遠目に見ながら、ニカブの女性たちの服装にも変化が出てくるのかな、としばらくぼーっと想像にふけってしまった。
観光ビザの発給開始
帰国してみると、「サウジアラビアが観光ビザ発給へ」というニュースが報じられていて、まさに話してたヤツだ!!すごいすごい、本当に観光にオープンになるんだ~!!とさらに興奮。
過去に観光振興策としてツアー客を対象に観光ビザを発行したこともありましたが、一時的なものに終わっており、現在は巡礼か外交・公用ビザのみを発行しています。それが、 ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が経済改革計画「ビジョン2030」として石油依存からの脱却と同時に国際社会でのイメージアップ として観光客の受け入れも推進しているという状況。
そこで観光の目玉となるのが、今回THABFが開催された歴史ある町Al-Ulaなのです!
サウジアラビアの観光ビザ発給に関するニュースを調べていたら、以下のような記載がありました。
その中核となるのが、聖地メディナに近い歴史ある町アウルラだ。17年7月に勅令で創設された王立アルウラ地区委員会(RCU)は、この地域の観光インフラ向上を図り、最終的には年間最大200万人の観光客を受け入れることを目指している。
<中略>
近郊のマダイン・サーレハの壮大な遺跡は古代ナバテアの遺跡としては隣国ヨルダンのペトラ遺跡に次ぐ規模で、しかも物売りや人混みに悩まされる心配はない。何より、この冬初めて開催された「タントラの冬」祭りでは、住民が男女の別なく、外国人観光客を心から歓迎し、地元の歴史的財産を誇りにしているのが伝わってくる。
「タントラの冬」祭りって、Winter at Tantoraじゃん!!
今年初めての開催だったんだ。ていうか、観光発展の目的でやってるイベントだったんだ。RCUって見覚えがある。確かBlinkExperienceの資料にクライアントって書いてあったような…?
資料を見直してみると、やはり「Our Client:RCU」の記載が。今更ながら、このイベントのすごさがやっと分かりました。
つまり、こういうことです。
近年、サウジアラビアでは「ビジョン2030」が推し進められていて、観光客受け入れに力を入れている。その中で勅令によって2017年にRCUが設置され、2018~2019年にかけての冬、Winter at Tantoraが開催されることとなった。この大きなお祭りのうちの1イベントとして、RCUから依頼を受けたBlinkExperienceという会社によって企画運営されたのが、TantoraHotAirBalloonFiesta。
国を挙げてのイベントに、私たちは参加できたってことじゃないでしょうか?!
さて、観光ビザ発給の話に戻ります。
2018年12月より、試験的に( サウジアラビアのスポーツ協会が主催するスポーツイベントに参加する人を対象として)観光ビザの発行を行っているようです。しかも、オンラインでビザ申請、e-VISAもゲットできて便利。
さらに、「30歳以下の女性が入国する場合は正式な配偶者または父親・兄弟など近親者の動向が必要」という制限も緩和された模様。着々と観光客への扉が開いているようですね。
観光で気軽にサウジアラビアに行くことができる日も近そうです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いしましょう~