ぷかログ

熱気球パイロットとして世界を旅する空飛ぶフリーランスのイマ

【PUKAPUCUP season4】2日目競技フライト振り返り(後編)

前編に続き、PUKAPUCUP season4の競技フライトの振り返りを行って参ります。

pukapuka-azure.hatenablog.com

 

後編では、上位パイロットの4名からフライトプランについてコメントを頂きましたので是非ご覧ください。

#4 RTAの時間や#5 FONの宣言についても記載しておりますので参考になればと思います!

リザルトの分析と上位パイロットからのコメント

オフィシャルスタッフの野村さん・片平さん・今村さん・雄大・私で集計作業。
WatchMeFly上では航跡に加えてBLAでのMarkやDropを簡単に見ることができます。

ただ、これだけでは集計できないので、OziにIGCファイルをインポートしてデータを見たり、Excelにデジットを入力して距離の検算したりしてリザルトを出しています。

さて、今回はPUKAPUCUP実施後アンケートでもリクエストの多かった「他のパイロットがどんなフライトプランを考えていたのか知りたい」というものにお応えして、上位入賞者のコメントを頂きましたので、航跡や宣言と合わせてシェアしていきたいと思います!

【2位】今村辰之介さんからのコメント

今回はまずヘジをこなすことを念頭にプランを組んでいきました。
パイバルだと東側のヘジに行けるか見えなかったので、1つ目終わらせてから西風探して、あれば順番通り、無ければRTAFONを確実にって感じで考えてました。
結果的には西風しっかりあったので良かったけど、思ったより風速がなかったので、RTAで東と西どっちに抜けるかちょとっまよっちゃって、そこで落としちゃったかな。RTAをやる経験があまりなかったので、宣言する時間に余裕を持たせておくの重要ですね。
プカプカップはロガーに特化したゲーム性のあるタスクが頭の刺激になるので、ほんと楽しくてオススメですよ!

#4 RTAの宣言:20分
#5 FON宣言高度:500ft

【3位】竹澤廣介さんからのコメント

みんなおいでよプカプカップ。面白いよ。
気球の競技はPDG,HON,JDG、・・・・などルールに規定された競技しか無いんだけれど、その組み合わせで無限のバリエーションが出来て、フライトを通じてタスクセッターと参加パイロットが会話できる状態が今のプカプカップです。
特に特徴的なのは3DとCRTの使い方。
できるだけ遠回りしてゴールに来い、逆にアプローチは時間かけていいけど近くに来るまではとっとと来い、遠くのゴール狙うほど得点高い、サッカーコートを走り回ってゴールを決めろ。などTDSに書かれたディテールからタスクセッターのメッセージを受け取ってフライトに臨みます。
単にフライトしてゴールに行くだけじゃなくて、どうやって、どんなタイミングで、どんなコースを自分が選ぶのかを、「それぞれのフライトプランはそれぞれの考えに基づいた自分の物」ということを再確認させてくれます。(まあ僕はその考えた通りに飛べないことが多いんだけどね、残念ながら。)
Watchme fly に過去のタスクシートもあるから見てみて、実際に作図することお勧めします。
これ作図しないとなかなかフライトの意図わかりにくいです。図書くと見えてきます。
もちろんTDS上のわかりにくい表現、GPSの使い方、BLS/BLAの使い方、Oziの使い方なども質問できるし、わかる方々が質問に答えてくれます。タスクをタスクセッター&参加者で作っていく感じもあるので参加するとおもしろいですよーーー。お勧めです

【プカプカップ#5FONについて】
僕が宣言したのは 7626/1199 板倉エリア。他のパイロットより西側北寄りを宣言しました。結果的にはFONちゃんと寄ったけど、なぜここ宣言だったのかちょっと考えてみようと思います。

この図が僕の航跡です。まずは#1HWZをH-8 狙いで始めています。このゴールは当日のパイバルで新たに追加されたゴール。素直で行きやすいゴールのハズでしたが、時間の経過とともに素直な向きの風が無くなり300ft・to240度と1000ftのto330度 の風を使う結構上下動激しいフライトになってしまいました。児玉さんとよくすれ違った(H-8)。次の#2HWZは3Dも絡むので予報データ上の風を使ってできるだけ遠くのH-1 狙い。2800ftぐらいから予報の風に入って綺麗にUターンでH-1 に“ログマーク2”(H-1)。その後3Dのトラック伸ばすために「円の中あと2往復ぐらいできるかな」と考えながらto320 で北西へ。次はそろそろCRTの時間だから取り合えず円の外に出てっと(CRT)。なかなか良いんじゃないと考えながら、よしもう一往復して3D距離伸ばそうとして飛んでてちょっと思ったのは「どうやって3D終わらせるんだっけ?ログマーク何番だったっけ?」「えっ、ログマーク2」「ヘジ2でもう押してるよ!」「あーーーー」となりここで勘違いに気が付く。これが図の3D気が付いたポイント。
で、気を取り直してFONに取り掛かる。立ち直るまでにかかった時間が3Dとdeclar の移動距離。
この中途半端な自分の現在位置から狙いやすいFONはちょい距離あるけど藤岡町越えて板倉エリア。600ftの250度は安定してるし。もっと下げれば進行方向左に行けて、上げれば進行方向右に行ける。かえって距離ある方が調整しやすいかなっと考えて、そんなこんなで皆とはちょっと違うFON宣言でした。
おーー、行けて良かった。めでたしめでたし。
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#4 RTAの宣言:40分
#5 FON宣言高度:300ft


【4位】脇本雅士さんからのコメント

PUKAPUCUP season1以来久々の参戦。今後の競技のスタンダードになるであろうロガータスクをみんなで攻略しようという大会です。
BLSをGPレースでも使っていますが、空間でのタスクになじめないのも事実。と言っても、マーカーリリースしてそれを全部計測しに戻る(ま、全部オンターゲットすればいいですが(苦笑))のには体力的にもう戻れません。ま、極端に言えばコンペティターとして続けるのか続けないのかの選択に迫られたと言うことです(大袈裟?)
 FAIのWatchMeFlyからwebエントリーを行い、スマホアプリのBLAで大会のトークンを読み込み…大会前からこのタスクが重いんですが、これはもう慣れるしかないですね。

 さて、今回は日曜午前のみの5タスク。南東と北西の逆転層、地上風は東北東風。#4RTAは30分で設定。まずは西側の#1HWZを攻略、南側100m程でまずまずの手応え。#2HWZのために2700ftの逆転層で東に向かうが、これも南側を通過。RTAの30分が過ぎてしまったため#5FONを宣言。#33DTをもっと粘るためには時間が足りなかった。この辺の明確な戦略が必要となることがわかった。
FONは宣言時750ft付近を500ft以上の高度差をつけなければならなかったが、それを見落としてペナルティとなった。#5は#1,2,5の3タスクの平均距離での採点になるとのことだったが、計算も面倒なので何も考えずアプローチ。高度角度ともにバッチリで気分良く終了。
タスク戦略を練るために離陸が遅くなったが、風向的にはそれが良い方向に働いたと思う。
結果から言うと、ロガータスクの大会もめちゃくちゃ楽しかった!こうやって経験を積めばロガータスクの面白さもわかってくるはず。PUKAPUCUP season5以降も機会があれば是非参加したい。
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#4 RTAの宣言:30分
#5 FON宣言高度:500ft


【3DTタスクトップ】高島工さんからのコメント

※#3 3DTで圧倒的なタスクトップと、#2でHWZの近くを通っているにもかかわらずあえて遠い位置でマークされた際の意図について伺いました!

タスクシートを見たとき、タスク#3はできるだけ長い時間飛んで距離を稼いでから#2のマークをすればいいことに気がつきました。当日の風向から南東に一番遠いH-4(8312/1142)のゴールを目指すことにし、先行気球の動きから北西に戻る風があることもわかったので、#4のエリア内で北西⇔南東を繰り返すことにしました。#4を60分と設定したので、その間に行ったり来たりを行い、57分でRTAのエリアを出た後に#2のマークをしました。
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#4 RTAの宣言:60分
#5 FON宣言高度:200ft

さいごに

私にとっては15機と割と近い距離で飛ぶことも初めて。同じゴールを狙う先行する気球の動きを見るのも初めて。普段地上(外)から見ている競技風景を、今回は自分が中に入って見てみて、この景色や感覚がとても新鮮で、かなり神経を使って疲れましたが、アドレナリンもドパドパ出てとっても楽しかったです!とっても良い経験になりました。

PUKAPUCUPでは、BLSを使ったロガータスク、さらには新しいアイデアを組み込んだタスクで、皆様のよき練習の場となればと思っております。
今後も工夫を重ねていきたいと思いますので、沢山のご参加をお待ちしております!