ドラマティックな佐賀大会の後半戦を振り返ります。
前半はコチラの記事をご覧ください!
【優勝】佐賀インターナショナルバルーンフェスタ2019 (前編) - ぷかログ
11月2日(3日目)
#8PDG #9PDG #10JDG #11FON #12JDG #13FON
マーカー盛りだくさんな朝を迎えました。
メイン会場から一斉離陸して武雄方面へ向かってロングフライトです。地上は北風が吹き、その上には東北東~東からの風。このフライト、チーム戦法が強みを発揮しました。
北風がなくなるのを警戒して、JDGのオンライよりも南寄りのゴール240を最初のPDGに。236、237を次のPDGに選択しました。
240に向かう途中から北風がどんどん角度を変えていきます。236に先回りしているチェイスからはすでに南風になっていると情報が。この時点で南側に寄せていた僕らはこのフライトの全体を優位に進める事ができました。
北側に行ってしまった気球は、JDGまで南下する事が難しい上、西側の山のエリアを回避するのも困難になります。その中には首位を走るジョニーとニックも。ジョニーは北側の山際でギブアップになりました。なんと26年で初めてのコンテストランディング(マーカーを投げずに着陸)だったそうです。それくらい彼らの予想を裏切る風の変わりようだったのです。
最初のタスクであまり時間をかけたくなかったので、240は修正せずマーカーを投下して先を急ぎます。諭が1kmくらい先行していました。
次のPDGとJDGも寄せきることができず、北側を通過していきます。2機が少しばらついても、それぞれに付いたチェイスが2人の投下を確認してから、次に向かうという連携も崩れず順調!
ここまでの3タスクは800点の後半(Ave. 862点)でまとめれてOK!
その後のFONは別々の道を進むことになりました。諭はJDGへのラインを優先して南寄りのゴールを選択し、僕は行きやすい北側の305を選びました。
54cmで1000ポイント。
ここでラッキーな北西風が地上に吹き始めました。谷からの吹き抜けなのかな?良くわからんけど兎に角ラッキー!歩くくらいのスピードですが確実に南下してJDGに近付いていきます。
JDGのマーカーを投げる頃には、諭は着陸しており、最後のFONでは自ら地上風を教えてくれました。
そのお陰もあって1,08mで998点。後半の3タスクはAve. 996 点でまとめ、一気にトップに躍り出ました。
#14GBM
今年は午後もよく飛べました。会場にはターゲットの北側に三角形、南側に長方形の計測エリアが設けられました。(この競技ではエリア内でターゲットにより近い方が得点が高くなります。)
パイバルを放球して風を見ますが…タイミングで右に行ったり左に行ったり…多くのチームがブリーフィング会場の駐車場に残っていました。
ここからで、行けそうなんだよね。
マットとジョニーのお隣から離陸の準備をします。ジョニーの準備めっちゃ速い!!わしらTEKNOバスケットを使って、球皮も繋げっぱなしだから速いぞと自負していたのに、優に追い越されて飛んでいったけんねー。
そんなジョニーさんを参考に会場にイン!
今回非常に飛んでる時の感覚がいいなと感じていました。フライトを終えると妻と反省会をするのですが、その中でメンタルの部分も課題に上がります。
「他の気球の動きを見るともなく見る」
2人で目指していた形が作れていた気がします。不思議なのが、この日のアプローチを土手から見ていた妻は、うるうると涙が溢れそうだったそうです。格別魅力的なアプローチでもなかったのに、何かシンパシーするものがあったのかな。嬉しいですね。
11月3日(4日目)
#15PDG #16JDG #17FON #18JDG
会場から一斉離陸して南東のJDGを目指すフライトになります。この日はスポンサーである(株)やずやの社員の方々が福岡から応援に駆けつけて下さいました!ありがとうございます!
お客さんの数も物凄い事になっておりました。チェイスが会場から出れないほど…
そして、なんだかモヤっとしたタスク設定でした。最後のJDGは絶対行けないのが分かっているのに変更しないのは、なんなんだー。
PDGを選ぶのも難しかった。行きやすいゴールを選択するとJDGに行くのが難しい。JDGに行けるようにゴールを選ぶとそこに行くのが難しい…悩んでいると東風がさーっと吹いてきたので、JDGに行きやすいゴール行けそう!106を選択しました。
土手で観戦するお客さんたちを舐めるように低空飛行しなが離陸。開始5分は順調でしたが、東風はすぐに北風に…。
あああああああああああ、んもうどうにもなりませんー!
389m外して得点は88点。みんな108とか選んでたのかな、良いなーってマットのアプローチを横目にJDGへ。これはアプローチしやすく高得点。
FONも900点台で最後のJDGへ。これ危ないよなー。FONの後急上昇を余儀なくされるし、南側のPZも近くて急降下しなくちゃいけない。ニアミスがいくつもあった。タスク設定から生じる競技の安全性も検討して欲しいです。
800mくらいから投下した僕のマーカーはシェ・ヤマモトさんの南側の川の中に。見つかって良かった~。釣り竿で釣り上げます。その後、諭のマーカーを探していたらパレードが始まりましたー!わー
#19GBM
昨日と同じのかな?いや、エリアが1つになっている。三角があるだけ。三角も小さくなってる!
風向はなんとなく北西から。どこから飛ぼうか。しかし、風速が遅いから、そんなに悩んではいられない。
2位のマットとは200点ちょっとの差。3位の諭は4位の山下君と数十点の差だ。絶対にエリアを外せない勝負所です。離陸地も決まり、インフレを開始した頃、妙案が浮かびました。
かなと飛ぼう。
2007年に日本選手権デビューして以来、シリアスな競技はずっとソロで飛んできました。自分の感性で自由に飛べるソロが好きだからです。
でも今回はもっと運気が欲しい。お守り代わりに連れていこうと思った。そういえば、妻と飛んだ時(キーグラブや草レース)は良い結果が多かった裏付けもある。
彼女が持っているラッキーを信じて、いつもとは違う選択をしてみた。
離陸のタイミングは遅めだったので、会場に続く気球たちの列の終盤の方の位置取りになった。振りすぎないようになるべく北側から攻める。じわじわとゆっくり会場に近付いていく中、会場ではオンターゲットを決めたパイロットに「やったー!やったー!」のコールが鳴り響いているのが聞こえてくる。
大丈夫、俺らも絶対に入る。
降下していく機体は三角の真ん中に吸い込まれていった。8,02m 892点。逃げ切った!
11月4日(5日目)
最終日の判断。
これには色んな意見があるかと思いますが、僕自身は非常に複雑な気持ちでした。
Goになったら、ただ競技の事だけを考えて勝負したいという気持ち。
気象状況・飛んでいく方向・参加している機体の数を考えて安全を考慮するなら飛ぶべきじゃないという気持ち(競技じゃなかったとして、この状況でフリーフライトをするのかというシンプルな判断をするなら、もちろん答えはノー)。
しかし、首位をリードしている自分が優勝につながるキャンセルをすべきと抗議するのは変だよなという気持ち。
競技にクレイジーになるか、安全にクレバーになるか。賞金もかかってるしね。
マットが飛んでいっても、飛ばないを貫けるのか??
モヤモヤモヤモヤ…すごく後味の悪いキャンセルコールとなりました。本当に、グリーンフラッグ上げる前に判断して欲しかったー!
チームのみんなありがとう!
2007年から毎年参加している佐賀大会だが、今回はまた新しい気持ちと環境に包まれての参加でした。
PUKAPUKAという新しいチーム、新しい生活環境での初参加。佐賀市民としての初参加。諭との初のガッツリ連携。試行錯誤の中、進んでいく日々は刺激的でした。楽なことばかりではないけどね。だからかな、感謝の気持ちがあふれてくる。PUKAPUKAの皆、エアリバのみなさん、ほんとにありがとう!
また、着陸地でお会いする気球ファンの皆様にも沢山パワーと暖かい時間を頂きました。離陸からずっと追いかけてくださる方や、PUKAPUKAの応援Tシャツをその場で購入してくださる方もいらっしゃったり。子どもたちがカードやお菓子をくれたり、バスケットに乗って一緒に写真を撮ったり…回収前後の短い時間でしたが心温まる時間でした。また、県外、それも京都や関東、東北から応援に来てくださった方々も。みなさんに感謝の気持ちをお伝えしたいです。
本当にありがとうございます。
そして、僕らの活動を長年、ご支援してくださっている株式会社やずや様!
毎年応援にも来ていただき、激励を頂くことで、僕らは気を引き締めてフライトに挑戦することができています。ありがとうございます!
沢山の方に協力と応援をいただいたことに感謝しながら、まずは鈴鹿大会に向けて。その先の世界選手権に向けて、頑張りたいと思います!
PUKAPUKAの挑戦をこれからも暖かく見守って頂けると嬉しいです。