ぷかログ

熱気球パイロットとして世界を旅する空飛ぶフリーランスのイマ

熱気球競技の「ゴール」についてカンタンに解説!

2019年10月30日に佐賀中央通りで開催された、佐賀インターナショナルバルーンフェスタのオープニングパレードの時、ふと聞こえてきた女子高生たちの会話。


「…風穏やかだから、バルーン飛ぶんじゃない?」


おぉぉぉ…!風の事まで見ている!

秋冬には家から飛んでいる気球が見えるのは当たり前だし、バルーンフェスタは朝早くから家族で見に行ったりデートで行ったり。小さい頃から見慣れ親しんでいるからなのか?
さすが、佐賀の子!なんか嬉しい!…なんてエピソードがありました。

kanakoです。

佐賀おじいちゃんたち

 

もっと競技を知ってほしいから

さて、大会ごとにレポートをブログに書いている私達ですが、特に佐賀大会のレポートでは「どのゴールを狙ったか」という記述が多く出てきました。


佐賀大会の記事をまだ読んでないよ、という方はコチラ

pukapuka-azure.wixsite.com

 

競技参加者は当たり前に分かる事ですが、そうでない方には「なんのこと?」なはず!

本記事でカンタンに解説しますので、競技で何をしているのか、大会のレポートで何を言っていたのかを楽しんで頂ければと思います!

 

ゴールとは?

競技でパイロットが目的地を決める競技(PDGやFON)のときに使用する地点で、道路の交点を指し、三差路以上の交差点の中央を中心点と定められています。

佐賀大会ではこのゴールの位置と番号が決められており、地図にプロットするとこんな感じ。


今回のレポートでもよく出てきた210番のゴール。どこにあるか分かりますか?

佐賀ゴール地図

青い円の中心に赤い◎がある所が会場。その斜め左下に立っている青いピンのところが210です。


では、競技でゴールの選択するところからアプローチ、計測するまでのチームの動きを見ていきましょう!

 

大会最初のタスク「#1 PDG」を例に見てみよう

Pilot Declared Goalでは、パイロットは自分が選択したゴールに向かって飛び、マーカーを投げます。その条件は、「CLP(会場の赤い◎)からの距離が1km以上、3km以内のゴールを1つ宣言する」というものでした。


このとき、地上から300mまでは北東風が吹いていたので、雄大は210を選択。パイロットは選んだゴールを記入したシートを離陸前にオブザーバーに提出し、Pilot Declared Goalの宣言が完了します。

佐賀離陸前

 

210のゴールでは何が起きるか

離陸後、チェイスカーは210のゴールに急ぎます。このときクルーは、「とにかく早くゴールに行って、地上の風を教えてあげたい」気持ち。一斉離陸はとっても綺麗だけど、残念なことにゆっくり見ていられません…


ゴール付近に着くと、100m以内にはチェイスカーは停めてはいけないルールなので、100m以上離れた場所に一旦停車。


オブザーバーとクルーは走ってゴールに向かい、ドライバーは通行の妨げにならないように車を停めます。


最初にゴールに着いたオブザーバーは、交差点の中心を決め、マーク。このマークからマーカーの距離を競うことになるので、気球が来るより前に中心を出しておくことも重要です。

佐賀かな

 

ゴールに着いたクルーは何をするか?

地上から上げた風船の動きや、他の気球の動きの情報をパイロットに伝えます。
この情報を参考にして、パイロットはどのようにアプローチをするかを考えるので、第一報はできるだけ早く上げてあげたいし、風の変化を見逃さず、状況が変わったらすぐに教えてあげたいところですね。


さぁ、そうこうしていると気球が近づいてきて、アプローチに入ります!


アプローチの時、パイロットはめちゃくちゃ集中しています。そして祈るクルーたち。

微妙な気球の上下左右の動きやマーカーを投げるタイミングを見計らいながら……投げる!

佐賀マーカードロップ

いくつもの気球がアプローチしてきて、交差点にはマーカーがぼとぼとと降ってくるので、他の気球の邪魔にならないように、計測を行います。

中心から近ければさっと計測して次へ。遠ければ計測に時間がかかるので、後回しにして次のゴールに進みます。

これで、#1 PDGが終わりです。

 

最後に

こんな感じでひとつのタスクが終わり、次のタスクへと向かうわけです。
PDGでは離陸前にパイロットはゴールを宣言しますが、FONではゴールを狙いながらも飛行中に次のゴールを決めて宣言しなければいけないので、パイロットの頭はフル回転。


地上は地上で、ゴールに先回りして、風船を見たり他の気球を見たり、次のゴールへの道を見たり…とバタバタ。


ただ浮かんでいるだけじゃない気球競技の裏側を垣間見て、楽しんで頂ければ嬉しいです!

佐賀一斉

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう~