ぷかログ

熱気球パイロットとして世界を旅する空飛ぶフリーランスのイマ

カンボジアで熱気球。どんな生活してる?

私たちがカンボジアに来て、既に3ヵ月が経とうとしています。
それなのに、1件もカンボジアの記事を書いてない!
遅ればせながら、今回はカンボジアでのフライトや働き方についてお伝えしたいと思います!

 

カンボジアフリーフライト1

 

フライトを慣行するのは「Angkor Hot Air Balloon」

カンボジアではAngkor Hot Air Balloonの1社のみがパッセンジャーフライトを行っており、この会社の雇われパイロットとしてフライトしています。
フライトエリアは、アンコール遺跡で有名な「Siem Reap(シェムリアップ)」。


アンコールワットの上を飛ぶの?


と、私たちも思いましたが、空港から近い為、アンコールワット近辺は飛行不可なのです。

バコン地図

飛ぶのは、最古の寺院と言われる「プレア・コー」とアンコールワットの原型と言われる「Bakong(バコン寺院)」の上で、地図で見るとシェムリアップの街やアンコールワットよりも東に位置しています。


このバコン寺院は、アンコールワットよりも古く881年に建設された古いお寺で、アンコール遺跡のひとつ。アンコール時代最初の大型ピラミッド型寺院と言われています。
ピラミッド型の5層の基壇の上に紅色砂岩作りの祠堂が中央にあり、1200年も経っていてもなお美しい。
写真ではなかなか伝わらないので、是非実際に見て欲しいです。

バコン

フライト時間は30分で115USD/人。朝夕の2回開催しています。
バスでホテルにお迎えに伺い、フライト後はホテルかパブストリートなど希望地までお送り致します。


上空では、美しいSun rise / Sun Set、プレア・コー、バコン寺院を見て、シェムリアップの地上から聞こえる音や雰囲気を感じ、気球に駆け寄る子供たちにキャンディーを配って…と満腹のフライトをお楽しみ頂けます。

 

国際色豊かなメンバー

Angkor Hot Air Balloonの会社は中国経営なので、中国人がメイン。そこにイギリス・カンボジア・日本からスタッフが集まって大きな家で共同生活をしています。

カンボジアメンバー

家政婦のジェ・ニーが週6日来てくれて、ご飯を作ったり洗濯物を干してくれたりするので、ありがたいくらい快適。


この辺りの話はまた別の記事でご紹介します!


朝のフライトへ出発

5時頃、ピックアップトラックに乗って家を出発。
家からフライトエリアであるバコン寺院に行く途中に倉庫があって、そこに機材が置かれています。それらを管理するのは現地クルーのみんな。


前日にお客様の数が確定し、どの気球を使うかクルーに連絡すると、トラックに積んで準備してくれています!


日本でもヨーロッパでも、自分達で機材を準備して、少人数で気球を飛ばすのが当たり前ですが、アジアでは違いました。

カンボジアクルー1

そもそも、パイロット勢が乗るピックアップと気球を積むトラック、バイクで構成されています。
クルーは機材の準備や立ち上げの準備、トラックの運転、修理やガス充填などの全てをやってくれます。バーナーチェックも!


なので、パイロットは本当に「飛ぶ」だけなんです。(セッティングしてもらったものをチェックはするけどね)


そんな体制に慣れず、最初は手伝わなきゃ~と思って手を出そうとしましたが、20人近く居るクルーたちの息はピッタリで、雑談しながらもどんどんセッティングは進んでいくので、入る隙もない。


基本、ありがとね。って見てるだけです…


さぁ、話を戻しましょう。


クルーたちと合流して、5時半頃、パイバルスポットに到着。毎朝同じ場所で第1球を放球し、風を見ます。


日の出は大体6時半前後なので、ここでの情報をもとに、離陸地を探す。離陸地はいくつか候補があるので、その中から選びます。


離陸地についてもう一度パイバルを放球して、最終判断。「よし、ここから!」というチーフパイロットの判断と共に、クルーがセッティングを開始。

カンボジア子どもたち

送風機を回しだすと、早朝にもかかわらず大人も子供も大勢集まってきて、ギャラリーで賑やかになります。


お客様がバスで到着すると、ここでようやくパイロットの出番。

気球を立ち上げて、ご案内。日の出の10分前くらいに離陸します。


離陸後、パイロットは「高さ・角度・スピード」を無線で共有しながら飛び、その情報をもとにピックアップとクルー、お客様用のバスがチェイス

カンボジアチェイス

ここから、バイク隊が力を発揮します。車を追い抜き、細い道を駆け抜けながら走れるので、着陸地に先回りするには不可欠な存在。
土地柄、広く開けた場所があってもヤシの木がひょこひょこと生えていたり、小さな木があったりして、「引きずられながら止まる」ということができません。


なので、降りるぞ!という時にバスケットからロープを下ろしてクルーに引っ張ってもらい、狭い場所にも無事着陸できるのです。


風が本当に穏やかであれば、ロープなしで着陸することもありますが、基本的にはロープを使っての着陸。

クルーの着陸地への先回りが必要不可欠なのです。


この着陸の仕方は、ロープに引っ張られブレーキがかかる事で気球が降下します。ドーンと地面にぶつかってしまわないように、かつ焚きすぎて上昇してしまわないようにするバーナーさばきに慣れるのに時間がかかったようです。

カンボジア水牛

着陸して気球を倒すと、これでパイロット業務は終了。


クルーが気球を片付けて、ガスの充填などその後のことをすべてやってくれるので、パイロット達はピックアップでお家へ帰ります。


飛ぶだけ飛んで、「あとは、よろしく~」なんて普通は考えられないですよね…


家に帰りつくのは7時前後。

帰ったらすぐ朝ご飯。その後は午後のフライトまでフリータイム!
動画があるので、是非ご覧ください!

 

youtu.be

 

午後のフライトへ出発

午後は16時頃出発。

夕方より朝方の方が風が穏やかだと思いきや、こちらでは夕方の方が穏やか。お客様も午後の方が多いです。


午後は朝と違う場所でパイバルを見ます。

シェムリアップの南に湖があって、午後はその湖から風が吹いて南風になることが多いようです。


離陸地に移動すると、しばらく待ち。

カンボジアクルー2

クルーはよく、マンゴーの熟れてないものや木の実などをみんなで食べたりしています。
ある時期は、マーカー投げの練習をしていると子どもたちが参加してきたりして盛り上がりました。


気球は最大5機。

午後は5機出しになることも多く、大きな気球5機が一緒に飛ぶ光景は、なかなか見ごたえがあります。

カンボジアフリーフライト2

このエリアでのフライトについてですが、シェムリアップの空港も近いので、飛べるのは400mまで。バコン寺院の上では約200mの高度を保って飛びます。


風は全く日によって違うのですが、早い時は地上から100mで20km/h以上の風が吹きます。
でも、フライト中は地上風は穏やかなことが多いかな。
風の角度は分単位で変わるので、ほぼ毎フライト後に「風変わったね~」という話になる。


無事に着陸すると、ピックアップでパイロットを拾いに行きます。
険しい場所に降りることたまにありますが、その時はトラックとピックアップは無理やり入ってお客様をピックアップの荷台に乗せてバスが待つ道路まで輸送したりします。


無事にお客様をバスに乗せたら午後のフライトは終了。お家に帰ってみんなで晩御飯です。

カンボジア夕日

毎日とにかく太陽が美しい
フライトの度に見る、朝日や夕日が本当に綺麗なんです。

いつも違う姿で、「今日も綺麗だね~」としみじみ。


眼下に広がる、カンボジアの木々や住宅がある様子も飽きさせない美しさがあるので、カンボジアでのフライト、おすすめですよ!

カンボジア上空から

 

では、今回はこのへんで。