私たちの住む街Igualadaで、European Balloon Festival 2019(以下、EBF)が開催されました。
今年は57機の参加で、例年よりも多くのお客様に来場頂いたようです。
私たちにとって今大会の目玉はなんといっても、午前中のフライトは「お客様を乗せた大きな気球で競技参加しちゃう」というところ。
普段のパッセンジャーフライトでも、ターゲットを決めてアプローチする練習はしているのですが、果たして競技となるとどうなのか?!
お客様を乗せて競技するとは?
普段、競技で使用しているレース用の機体は60(気球の体積が60,000ft3)なのに対し、お客様を乗せるのに使用している機体は180(180,000ft3)や210(210,000ft3)。これで8~10人のお客様にお乗り頂けます。
体積が3倍以上大きい気球なので、ぽよ~んとしていて動きがゆっくり。
レース用の機体は動きも素早く上下動できるように工夫されているので、大きな機体は競技において不利なのです。
気球の大きさの違いで、受ける風も変わってきます。同じ高さで他の気球は動いているのに…という事も多々ありました。
更に、お客様と会話しつつ、風の情報を把握しながらターゲットを目指すのですから、難易度は上がります。それを、やってのけましょう!という腕試しな訳です。
気になる結果は…
1st Yudai Fujita 4850pt
2nd Roland Friedli 4800pt
3rd Aleix Rodriguez 4450pt
6フライト、7タスクの結果、「優勝」!!
最終タスクで逆転優勝でした。
フェスティバルなのでそんなに競技志向ではなかったり、タスク数も少なかった。とは言え、「でかいの(大きな機体)を思い通り動かすことはできたかな~」ということなので、与えられた材料を上手に捌いて優勝を勝ち取ったことは、大きな成果だと思います。
表彰式は午後フライトの後に実施されたのですが、回収してガス充填して会場に戻っている最中に終わってしまうという、まさかのハプニングも!
会場に到着して急いでステージに駆け寄ると、スタッフの方が気づいてくれて、ナイトグロー中にステージで表彰して頂くことができました。
大会HPはコチラ ⇒ https://www.ebf.cat/index.php/en/
EBFの楽しいところ①:お客さんとの距離が近い
Igualadaの街のほぼ中心に位置する広場がフェスティバル会場であり、メインの離陸地になっています。小さい気球は更に住宅街の中の広場から離陸することもありますが、午前も午後もこの広場から一斉離陸。
午前中は6時半ブリーフィングで7時離陸なので、フィールドに居るのはフライトを予約されているお客様がほとんどですが、午後になると会場ではライブや子どもたちが遊べる場所が設置されるので、家族連れで大賑わいになります。
そんな、皆が遊んでいる広場で、気球を広げて、立ち上げて、離陸するのです。
特に盛り上がるのは午後のフライト。日本ではキャンセル確実な風でも、こちらでは、飛ぶ気満々。
風に煽られて気球が左右に大きく揺さぶられる、(ちょっと怖いくらい)迫力ある離陸になるのですが、お客さんはイケイケモード。離陸すると大観衆から拍手と歓声が上がります。
そして、次に行くのは誰だー?!と言わんばかりに、隣の気球の方へ移動していく人々。
離陸した場所はぽっかりと気球の形が綺麗に残っていて、距離感の近さ(もはや、ぐちゃぐちゃ)がよく分かります。
お祭り好きなスペインならではの光景なのかも知れません。
EBFの楽しいところ②:気球に乗ってフェスティバルと競技を楽しめる
フェスティバルに参加している気球に乗れるって、なかなかないチャンス。それはそれは楽しいはずですよね!
特に今年は57機の参加と数も多い上に、イギリスからはライオンやチーターなど4つの動物型気球も来ていて、見た目にも可愛いフェスティバルでした。
EBFにはIgualadaでパッセンジャーフライトをしているKON-TIKI・Camins de vent・Anoia Balloonsの3社も参加しているので、その3社どれかにフライトの予約を入れれば、午前フライトで乗ることができます。
お客さんの中には、「もっとあっちだー」とか「大丈夫なのか?!」とパイロットさながらの方もいらっしゃって、そんな様子でフライト中終始盛り上がるので、参加型フェスティバルって良いな!と思います。
EBFの楽しいところ③:ディナーが美味しい!
大会中の楽しみのひとつがコレ。ディナーのクオリティがレストランみたいに高くて、美味しいんです!
ディナーを頂けるのは、午後のフライト後。
21時頃離陸して21時半に着陸。ガスを充填して戻ると大体22時は過ぎますが、それからディナー。
眠いから帰りたい~という気持ちも吹き飛ぶ、鮮やかな盛り付けの数々。必ず、前菜・メイン・デザートの3種が準備されていて、それぞれ2種類から好きなものを選べます!
しかも、テントに設置されているオーブンで焼いたものに、盛り付けをして出してくれるので、出来たてなんです!
大会が終わった今でも、あのディナーが恋しい…
そんな訳で…
EBFは無事に終了し、私たちのスペイン滞在期間も折り返し地点に来ました。
次の大会は、9月22日からの「Spanish Championship」。スペインの美しい街Toledoで開催されます。
スペインの後は、Morocco→Poland→UK→帰国の予定で、大会は残り3つ!
引き続き投稿とレポートをお楽しみに!