ぷかログ

熱気球パイロットとして世界を旅する空飛ぶフリーランスのイマ

猛威を奮った台風19号ハギビス。栃木県の被災地で片付けのお手伝い。

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2019年10月6日にマリアナ諸島の東海上で発生した台風19号「ハギビス」。大型で猛烈なこの台風は、威力を保ったまま本州に上陸するとの予想から厳重な警戒が呼びかけられていました。

そして台風が上陸した結果、多くの場所で災害が発生。水害がかなり多かったようです。

これまで地震や大雨・台風などの災害に遭ったことがなかったのですが、今回初めて床上浸水した友人宅で片付けのお手伝いをしてきましたので、栃木市の被災地の様子をお伝えしたいと思います。

最大級の台風が襲来

台風接近に伴い、気象庁から大雨・暴風への警戒が呼びかけられました。

私達が参加する予定だった10月12-14日の熱気球ホンダグランプリ第3戦「一関・平泉バルーンフェスティバル」も安全を考慮しての中止が決定。どんなに天気が悪くても1フライトだけはできていたのに!大会が中止になるなんて、グランプリが始まって以来初めてのことなんだそうです。

2019年10月12日。

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15時頃には私達が生活していたSOLA BASEの近くにも避難警報が出て、スマホが鳴り出しました。

防災マップを見ると、SOLA BASEのある場所は利根川が決壊すれば5mの浸水が予報されているエリア…既に本降りで横なぐりの雨が降る中、持てる食料と荷物をハイエースに積んで友人宅へ避難することに。

道中は既に冠水している道路もあり、移動していること自体が不安になる様子でしたが、避難先に着くと雨風共にそれほど強くなく、幸運にも無事に夜を明かしました。

次々と飛び込む各地の被害情報

2019年10月13日。

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夜中に台風は過ぎ去り、夕方頃に避難先から戻って渡良瀬遊水地の様子を見に行くと、貯水量100%でなんとかギリギリ保ってくれている状態。普段フライトで使っている道やそこにあるはずの公園は全て沈んでいました。

それらを犠牲にして、私達の生活を守ってくれた渡良瀬遊水地の姿には、ぐっとくるものがありました。そのおかげで、SOLA BASEは無事だったので!

しかしながら、栃木市に住む友人知人宅では床上浸水の被害が。翌日からお手伝いに行くことにしました。

初めて見る被災地の様子

2019年10月14日。

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友人宅へ向かう途中の通りでは、店舗からダメになった商品が山のように出されていたり、歩道のコンクリートがはがれていたり…見たことのない様子に言葉を失いました。

テレビでは見たことあるけど、実際に被災している場所に居るのとでは全く違う。殺伐とした空気感。

水によって持ち込まれた泥を流し、藁を捨てるだけでも重労働。駐車場や庭など家のまわり全てが1㎝くらいの泥に覆われていて、高圧洗浄機があってもキリがない。それがなければ途方に暮れてしまいそうな作業。

さらに床上浸水の場合、水に使った家財道具や電化製品がすべてダメになります。水を吸うような布団やたたみなどからは台風襲来から2日が経過した時点で異臭も発生していました…

そんな状況の中で被災したお家の方々は粛々と災害廃棄物仮置き場に軽トラでごみを出し、家を掃除。

収集所では分類毎に区画が決まっており、順路に添ってごみを下ろしていきます。

ものすごい数の電化製品と大量に積み重なるもやすごみや木くずたち。

しかし、それだけに留まらず、道路にも出されたごみ袋の山。ひとつひとつをまとめて持ってくるという作業だけでも途方もない…

「70年住んでいて一度も災害にあったことがなかったのに…」

「なんで自分たちが…」

そんな言葉が聞こえてきてきます。

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数百m違う場所にいくと、いつもと変わらない日常がある一方で、川の氾濫で浸水して辺りは泥とごみの山になっている場所があったりして。

自然災害の非情さに胸が痛みます。

こうして、私達がお手伝いしたお家のごみ出しは2日目で大方終わり、お手伝いは1日のみで終わりました。

しかし、被災地では復旧作業は継続し、まだまだこれまで通りの生活に戻るには時間が必要なことでしょう。

私達にできることを何かしたいと、被災地での支援係留を計画していましたが、場所の問題があり実施に至りませんでした…今回はできなかったけど、またチャンスを作ってトライしたいと思います!

被災地の少しでも早い復旧をお祈り申し上げます。